人の温もりに触れると居られなくなる
銀幕から飛び出て、ただ一人で観覧している客に、ヒロインが会いに来る。
廃棄寸前のモノクロ映画フィルムが収集家の手に渡ってしまうことになって、もう会うことが出来なくなる。
だからヒロインが銀幕から飛び出て会いに来た。
ただし条件は、人の温もりに触れると居られなくなる、ということ。
幸せな客は映画監督で、会いに来たヒロインに衣装部屋から綺麗な衣装を取っ替え引っ替えヒロインに着せて、その美しいことこの上ない。
「下を見てたら今しか見えないぜ」なんて
スター男優の決め台詞など散りばめて。
ただただ、お互い触れられない訳で。
だんだん、愛情が芽生えても辛くなる訳で。
韻を踏んでる場合じゃなく。
どんどん、辛くなっちゃって。
居られなくなってもいいから私に触れてなんて局面となり・・・
しかし、しかしですよ、そこで終りかと一瞬思ったのですが、そうではなく。
やはり触れることなく、その後もずっと共に過ごして。
映画監督が老人となり、ヒロインは孫であることにしてまで過ごしていく。
老人が息を引き取る時にヒロインは初めてその映画監督の体に抱擁。
次の展開で、若き日の映画監督が逆にモノクロ銀幕の中へ出没して、なんとヒロインに薔薇一輪を持ってプロポーズ。
ヒロインが薔薇を受け取った瞬間、モノクロが天然色⁉となって熱く抱擁。
映像も素晴らしく日本映画を見直さなくてはなりません。
ストーリーもまた素晴らしい!
ご興味おありでしたら是非ご観覧下さい。